【金属解説】アルミニウムの性質、用途は?

はじめに

1円玉硬貨にも使われるくらい身近な金属、アルミニウム。

実は、皆さんが思っている以上に多くのところで使われているんです。

今回は、アルミニウムの特性を解説し、その用途をご紹介していきます

アルミニウムをひとことで表すと?

軽量で耐食性があり、優れた導電性を持つ金属元素です。

アルミニウムの優れている点とは?

  1. 軽量性
    アルミニウムは非常に軽量でありながら強度を持ちます。その密度は約2.7g/cm³であり、鉄や銅などの他の一般的な金属よりも約1/3軽いです。この軽量性は、自動車や航空機、宇宙船などの輸送手段や、建築物の構造材料としての利用において大きな利点となります。軽量化は燃費の向上やエネルギー効率の改善につながります。
  2. 耐食性
    アルミニウムは自然界において酸化皮膜を形成し、この酸化皮膜によって腐食から保護されます。このため、アルミニウム製品は錆びにくく、湿気や塩分の多い環境でも長期間耐久性を保ちます。この特性は、屋外での使用や海洋環境での利用において特に重要です。
  3. 導電性
    アルミニウムは良好な導電性を持ちます。その導電性は銅に次いで高く、電気伝導率が高いため、電線やケーブル、電気機器などの製造に広く利用されています。また、アルミニウムは熱伝導性も高く、熱交換器や冷却装置などの熱伝導部品にも適しています。
  4. 可塑性と加工性
    アルミニウムは非常に可塑性が高く、容易に成形、加工、加工することができます。このため、様々な形状やサイズの製品を生産するのに適しています。また、アルミニウムは溶接や接着、めっきなどの加工技術にも対応しやすいため、製造プロセスの多様性があります。
  5. リサイクル可能性
    アルミニウムは100%リサイクル可能な素材です。リサイクルプロセスにおいても高品質のアルミニウム製品が再生されるため、資源の有効活用と環境への負荷の軽減が期待されます。この持続可能なリサイクル性は、廃棄物削減や環境保護の観点から重要です。

逆に、アルミニウムの問題点は?

  1. 軟弱性
    アルミニウムは一般的に鉄や銅よりも軟らかいため、特に高負荷や高圧力の環境での使用には適していません。このため、一部の産業や応用では、耐久性や強度が不足していると見なされることがあります。
  2. 高価格
    アルミニウムは鉄や銅よりも高価な素材です。そのため、製品の生産コストを上昇させる可能性があります。その高価格は、自動車や建築業界などでの大量生産においては無視できません。
  3. 反応性
    アルミニウムは他の金属との接触において電気的に不安定な反応を起こすことがあります。例えば、銅や鉄との接触によって電気的な腐食が進行し、耐久性や機能性が低下する可能性があります。
  4. 低温での性能低下
    アルミニウムは低温での性能が劣る傾向があります。低温下では、アルミニウムの強度や靭性が低下し、破損や変形のリスクが高まります。このため、極端な気温条件下での使用には注意が必要です。
  5. リサイクルプロセスのエネルギー消費
    アルミニウムのリサイクルは環境に優れた方法です。しかし、リサイクルプロセス自体にはエネルギーを多く必要とします。特にアルミニウムの精製や再溶解は高温を要し、エネルギー消費が大きいです。持続可能なリサイクルの実現には技術革新が必要なのです。

アルミニウムはどんなところで使われている?

  1. 自動車産業
    アルミニウムは自動車産業において広く利用されています。特に車体やエンジン部品、サスペンション、ホイールなどの軽量化部品に使用されています。そして、車両の燃費向上やパフォーマンスの向上に貢献しています。アルミニウムの軽量性は自動車の総重量を軽減し、燃料消費量を削減することができます。また、アルミニウムは耐食性が高いため、屋外での使用にも適しています。
  2. 建築業界
    アルミニウムは建築業界でも幅広く利用されています。アルミニウムの軽量性と耐食性は、建物の外装や屋根、窓枠、扉、手すりなどの構造部品に適しています。また、アルミニウムは設計の自由度が高く、多様なデザインに適応できます。このため、建築物の美観や機能性を向上させることができます。さらに、アルミニウムのリサイクル性もSDGsの観点から魅力となっています。
  3. 航空宇宙産業
    アルミニウムは航空宇宙産業においても重要な素材です。航空機の構造部品や外装パネル、エンジン部品などに使用されています。アルミニウムによって、軽量化と高強度の両方を実現します。アルミニウムの軽量性は航空機の燃料効率を向上させます。そのため、長距離の航空機や短距離のジェット機などの設計に適しています。また、アルミニウムは耐食性が高いため、航空機の長寿命化に貢献します。

さいごに

アルミニウムのいいところは、何といっても軽さ!

周りを見渡すと、思ったよりもアルミニウム製品が多いということに気づいたのではないでしょうか。

キャッシュレス化で1円玉を見る機会は減っているかもしれませんが、
アルミニウムはいつもわたしたちの近くにあるのです。

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